磯魚の生態学 奥野良之助著

迷える羊

2007年08月20日 13:22

というわけで、いつものアイテム紹介です。

今日のアイテムはこれ!



奥野良之助氏の著書「磯魚の生態学」です。

「生態学」というと漠然と感じますが、内容的には群れから始まり、磯魚のそれぞれの役割や先祖の辿った道などを考察&解説しています。

例えば、磯魚は回遊魚と違ってエサを追い求めて大移動するわけではないので、自然と磯という資源の限られた中での生存競争にさらされます。
そういった事により、各磯には必ずそれぞれの魚にはエサナワバリ(役割り)が存在する、というような事が書かれています。

ある磯に南方からの海流に乗って、ある魚が辿り着いた時、その魚がそこに定着できるかどうかは、エサが獲得できるかどうかによります。
つまり、既に居座っている魚のエサを奪うか、あるいは誰も食べていないエサを見つけ出す、という事になります。

例えば、色からすると南方系を伺わせるブダイ系は、サンゴや海藻という他の魚が食べないようなものを食べる事によって、その地位を獲得したのではないか、という考察がされています。

どろどろしたカバーの色と違って読んでみるとなかなか面白く、魚の世界も大変だなぁ、、、と他人事のように思ってしまいました(^^;

※最近の本では無いので古本屋やオークションでないと手に入らないと思います。


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